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​​エイジフレンドリー補助金:企業の取り組みと活用ポイント【令和版】


エイジフレンドリー補助金

「うちは大丈夫」が一番危ない――2026年4月、あなたの会社は準備できていますか? 高齢者活躍に関する制度改正は目前です。職場環境やエイジフレンドリーな取り組みは万全でしょうか。今からでも間に合う実践ポイントをご紹介します。

目次】

  1. 令和版:エイジフレンドリー企業の取り組みとポイント
  2. なぜ今、企業にエイジフレンドリーな取り組みが必要なのか
  3. 2026年4月施行
  4. 従業員を「まだ若い」と見なしていませんか
  5. 厚生労働省が示す「エイジフレンドリーガイドライン」
  6. エイジフレンドリー補助金とは
  7. エイジフレンドリー補助金の活用事例
  8. 費用ゼロでも効果大
  9. 健康診断だけでは足りない?
  10. 先進企業の成功事例から学ぶ
  11. 専門サービスの活用も選択肢に
  12. まとめ:エイジフレンドリーな取り組みで押さえるべき重要ポイント
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1. 令和版:エイジフレンドリー企業の取り組みとポイント

高齢者が活躍する経営へ――エイジフレンドリー補助金の活用方法と事例を徹底解説

2026年1月14日現在、多くの企業経営者や人事担当者の前に立ちはだかっている大きなテーマが、「2026年4月」の法改正への対応です。

本記事では、令和の時代に求められる「エイジフレンドリー(高齢者に配慮した)」な職場づくりについて、その背景と必要性から、具体的な取り組み方、そして必ず押さえておきたい「エイジフレンドリー補助金」の活用ポイントまでを整理してお伝えします。

なぜ今、エイジフレンドリーな経営が求められているのか。単なる法令対応にとどまらず、人手不足時代を乗り切るための経営戦略として、本記事の内容をご活用ください。

この記事を読むメリットは、主に次の3点です。

2026年4月からの法改正に対応できる:
高年齢労働者の労働災害防止対策(努力義務)として、何を進めるべきかが具体的にイメージできます。 

補助金を戦略的に使える:
職場環境改善に活用できる「エイジフレンドリー補助金」の対象内容や、申請時のポイントがつかめます。 

リスクを事前に回避できる:
「うちは大丈夫」という思い込みが招く訴訟リスク・労災リスクについて、データと事例を踏まえた回避の方向性が見えてきます。

2. なぜ今、企業にエイジフレンドリーな取り組みが必要なのか

背景と令和の課題

日本社会の急速な高齢化は、企業の労働環境にも大きな影響を与えています。令和の時代において、エイジフレンドリー(高齢者が働きやすい)な環境整備は、もはや「福利厚生の一部」ではなく、「経営戦略」の一つといえる位置づけになっています。

背景には、深刻な労働力不足と高年齢労働者の増加があります。2024年時点で、雇用者全体のうち60歳以上の割合は19.1%に達しており、今後も増加すると見込まれています。

多くの企業にとって、ベテラン社員の知識・経験は欠かせない資産です。一方で、加齢に伴う身体機能の低下は避けられません。厚生労働省のデータでは、休業4日以上の労働災害のうち60歳以上の割合は30.0%です。雇用者数では約2割にとどまる高齢者が、労災では3割を占めていることになり、従来型の安全対策だけでは不十分である現状が浮き彫りになっています。エイジフレンドリーな取り組みが遅れている企業は、貴重な人材を労災で失うリスクと常に隣り合わせだといえます。

さらに深刻なのが「人手不足」です。若年層の採用が難しくなるなか、意欲の高い高齢者にできるだけ長く活躍してもらうことが、企業存続の重要な要素となってきました。エイジフレンドリーな職場づくりは、高年齢労働者のみならず、あらゆる世代にとって働きやすい環境の実現にもつながります。

「うちは大丈夫」という根拠のない安心感をいったん脇に置き、現実的な必要性を直視することが、令和の企業経営における第一歩といえるでしょう。

3. 2026年4月施行

高年齢労働者への安全配慮義務と「エイジフレンドリー」の法的背景

2026年4月1日から、労働安全衛生法の一部改正が施行され、事業者には新たな責務が課されます。具体的には、高年齢労働者の特性に配慮した職場環境の改善や作業管理等の措置を講じることが、事業者の「努力義務」として明記されます。

これは、2025年5月に公布された改正労働安全衛生法62条の2に基づくものであり、エイジフレンドリーな職場づくりが法律上も明確に求められるようになったことを意味します。「努力義務だから罰則はないし、後回しでよい」と考えてしまうのは、非常に危うい発想です。

「努力義務」でも安全配慮義務違反になり得るリスク

企業には、既に労働契約法に基づく「安全配慮義務」があります。もし高年齢労働者が職場で転倒等の事故に遭い、「高齢者向けの必要な対策を講じていなかった」と判断されれば、単なる努力義務違反にとどまらず、安全配慮義務違反として損害賠償請求を受ける可能性があります。

今回の法改正は、国として「高齢者対策は必須である」と明確に示したものともいえます。万が一訴訟となった際には、企業の責任を問う強力な根拠として扱われるリスクも想定されます。エイジフレンドリーな対応は、コンプライアンスの観点からも「待ったなし」の状況です。

厚労省指針が示す5つの柱

改正に合わせ、厚生労働省は「高年齢労働者の労働災害防止のための指針」を公表しています。この指針では、事業者が取り組むべき内容を次の5つの柱として整理しています。

  1. 安全衛生管理体制
  2. リスクアセスメント
  3. 職場環境改善
  4. 健康管理
  5. 安全衛生教育

これらは、企業がエイジフレンドリーな対策を進めるうえでの「基本フレーム」として活用できるものです。法的な要請が強まるこのタイミングは、従来の安全衛生管理体制を見直し、指針に沿った体系的なアプローチへと移行するよい機会だといえるでしょう。

4. 従業員を「まだ若い」と見なしていませんか

高齢者の身体機能低下と職場環境に潜むリスク

「高齢の従業員もみんな元気に働いているから問題ない」「健康診断でも異常がないので心配していない」――現場の管理者や経営層から、このような声が聞かれることは少なくありません。

しかし、「健康そうに見える」という認識こそが、エイジフレンドリー対策において大きなリスクになり得ます。実際、高年齢労働者の労災防止対策に取り組んでいない理由として、約半数の事業場が「自社の60歳以上の高齢労働者は健康である」と回答しています。これは言い換えると、「見えにくいリスク」を過小評価している状態ともいえます。

数字で捉える「見えない身体機能低下」

中央労働災害防止協会の測定データによれば、筋力、バランス能力、視力、聴力などの身体機能は、加齢とともに確実に低下していきます。これは、本人の努力だけでは完全には防ぎきれない「生理的な変化」です。

健康診断で病気が見つからなくても、反射速度が落ちたり、少しの段差でつまずきやすくなったりすることは避けられません。特に転倒災害は、高齢者ほど重症化しやすい傾向があります。若年層の平均休業期間が45日であるのに対し、60歳以上では平均70日と長くなることが分かっています。骨折などの重い怪我につながり、そのまま退職や要介護状態となってしまうケースも少なくありません。

職場に潜む「いつもの風景」の中の危険

職場のどこにリスクが潜んでいるかを見ていくと、「日常的に通っている場所」や「慣れた作業」のなかに危険が隠れていることが分かります。

  • 照度が不十分な倉庫
  • 滑りやすい床面
  • 数センチ程度の小さな段差

これらは若手社員にとっては大きな支障がないように見えても、高年齢労働者にとっては転倒のきっかけとなり得ます。

エイジフレンドリーの視点とは、「誰にでも起こりうる身体機能の変化」を前提とし、物理的な職場環境や作業手順を見直すことです。従業員の「元気そうな様子」だけで判断せず、客観的なリスク評価を行うことが求められます。

5. 厚生労働省が示す「エイジフレンドリーガイドライン」

企業に求められる具体的アクション

厚生労働省は、高年齢労働者が安心・安全に働ける職場を実現するため、「エイジフレンドリーガイドライン」を策定しています。このガイドラインは、2026年4月の法改正に先立ち2020年に公表されたものですが、努力義務化に伴い、その重要性が一段と高まっています。

一方で、その認知度はまだ十分とはいえず、ガイドラインの内容を把握しきれていない企業も少なくありません。このガイドラインが求めているのは、精神論ではなく、現場で実行できる「具体的な行動」です。

リスクアセスメントの実践

まず求められるのは、「リスクアセスメントの実施」です。これは、職場に存在する危険要因(ハザード)を洗い出し、事故が起こる前に対策を講じる取り組みです。

エイジフレンドリーの観点では、特に「転倒」と「腰痛」のリスクに着目することが重要です。たとえば、「エイジアクション100」というチェックリストを活用すれば、自社の職場環境や健康管理体制について、100の項目から現状を点検できます。

これにより、

  • どこにリスクがあるのか
  • 何を優先的に対応すべきか

が見える化され、高年齢労働者の特性を踏まえた対策を検討しやすくなります。

安全衛生教育のアップデート

次に重要となるのが、「安全衛生教育」の見直しです。従来の内容に加え、加齢による身体機能の変化と、それが作業へ与える影響について、高齢者本人にも理解してもらう必要があります。

「自分はまだ若い」という過信が事故の引き金になることもあるため、客観的なデータや体力測定の結果を用いて、「自分の身体の現状」を把握してもらう機会を設けることが推奨されます。

エイジフレンドリーガイドラインは、単なるマニュアルではなく、企業と従業員が一緒になって安全意識を高めるための「実践ツール」として位置づけていくことが望まれます。

6. エイジフレンドリー補助金とは

制度の目的と令和8年度に向けた活用のポイント

エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者を雇用する中小企業が、エイジフレンドリーな職場環境整備を行う際の費用の一部を、国が支援する制度です。資金面に余裕がない中小企業でも、安全対策への投資を進めやすくすることが、この制度の目的です。

具体的には、次のような取り組みが対象となります。

  • 手すりの設置
  • 段差の解消
  • 身体的負担を軽減する機器の導入 など

申請のタイミングと注意点

補助金の概要として、補助率は費用の2分の1、上限額は100万円(令和7年度実績ベース)とされています。申請期間は例年5月から10月頃で、令和8年度(2026年度)も同様のスケジュールが想定されます。

ここで重要になるのが、「申請開始前からの準備」です。特に2026年4月は法改正の施行時期と重なるため、駆け込みで対策を検討し、申請が集中する可能性があります。

  • 事前に、どの設備を導入するか検討する
  • 見積もりを早めに取得しておく

といった準備を進めておくことで、補助金を確実に活用できる可能性が高まります。

コラボヘルスコースの活用

エイジフレンドリー補助金は、「物の購入」だけを支援する制度ではありません。高年齢労働者の健康保持・増進を目的とした取り組みも、対象となるコースがあります(「コラボヘルスコース」など)。

たとえば、

  • 体力測定の実施
  • 専門家による健康指導(運動指導や栄養指導など)

にかかる費用も、補助対象になり得ます。ハード面(設備)とソフト面(健康管理)の両方からエイジフレンドリーな職場づくりを進めるうえで、この制度を上手に組み合わせて活用することは、経営上も有効な選択肢といえます。

7. エイジフレンドリー補助金の活用事例

導入が進んでいる設備と職場環境の改善策

では、実際にどのような設備や改善策にエイジフレンドリー補助金が活用されているのでしょうか。ここでは、多くの企業で導入が進み、一定の効果が見られている代表的な事例をご紹介します。

基本的な転倒防止対策

まず、最も基本的でありながら効果が大きいのが「転倒防止対策」です。高年齢労働者の労災で最も多い「転倒」を防ぐために、次のような取り組みが行われています。

  • 階段・通路・トイレへの手すり設置
  • 滑りやすい床(厨房、雨天時の出入口など)への滑り止めマットの導入
  • 段差を解消するためのスロープ設置

後付けできる手すりであれば、工事費を含めても比較的導入しやすい価格帯であり、補助金の対象となるケースが多く見られます。

負担軽減機器の導入事例

次に、「身体的負担の軽減」に関する事例です。製造業や物流業、介護現場など、重量物を扱う場面では、高年齢労働者の腰痛予防が大きなテーマとなります。

ここで活用されているのが、次のような補助機器です。

  • パワーアシストスーツ
  • リフト
  • 作業台の高さを調整できる昇降式デスク
  • 立ち作業用の疲労軽減マット など

これらの機器は初期費用が高くなりがちですが、エイジフレンドリー補助金を活用することで、実質的な負担額を半減でき、導入のハードルが下がります。

視環境の改善で事故を防ぐ

さらに、「視環境の改善」も重要なテーマです。加齢による視力低下は、つまずきや操作ミスといった事故の要因になりやすくなります。

  • 暗い倉庫や通路の照明を明るいLED照明に変更する
  • 段差の端に、視認性の高い黄色いテープを貼る

といった、比較的シンプルな改善でも、エイジフレンドリー対策として有効です。これらの投資は、高年齢労働者だけでなく、若手社員や女性社員にとっても働きやすい職場づくりに直結します。

エイジフレンドリー補助金をきっかけに、全従業員にとって安全で快適な職場へアップデートしていく視点が重要です。

8. 費用ゼロでも効果大

高年齢労働者への「対話」と安全衛生教育の重要性

エイジフレンドリーな職場づくりには、必ずしも多額の費用が必要なわけではありません。むしろ、コストをかけずに取り組める「対話」や「教育」が、事故防止の土台となります。

厚生労働省の指針でも、「風通しのよい職場風土づくり」が推奨されています。高年齢労働者のなかには、「体調が悪い」「作業がきつい」と感じていても言い出せず、無理を重ねた結果、事故につながってしまうケースもあります。

1on1とヒヤリハットの収集

ここで鍵になるのが、1on1ミーティングなどを通じた定期的なヒアリングです。管理職や上司が、

  • 「最近、体調はいかがですか?」
  • 「負担が大きいと感じる作業はありませんか?」

といった問いかけを行うことで、潜在的なリスクを把握しやすくなります。

また、朝礼や安全衛生委員会等で、高年齢労働者自身から「ヒヤリハット(ヒヤリとした・ハッとした事例)」を共有してもらう仕組みをつくることも有効です。

  • 「あの場所の床が滑りやすくて怖い」
  • 「この作業手順だと無理な体勢になりやすい」

といった現場の声は、どんな高価なシステムよりもリアルなリスク情報となります。こうした「対話」の積み重ねが、労働者が安心して働ける信頼関係の構築にもつながります。

実践的な教育コンテンツ

安全衛生教育の内容についても、工夫が求められます。マニュアルの読み上げだけではなく、高年齢労働者が自分ごととして理解しやすい伝え方が重要です。

たとえば、

  • 始業前に、転倒予防を目的とした体操を全員で行う
  • 熱中症予防として、具体的な水分補給のタイミングを指導する

など、日常の業務に取り入れやすい「実践的な内容」を盛り込むと効果的です。

また、経験豊富なベテラン社員を安全教育の講師役として任命することで、

  • 本人のモチベーション向上
  • 若手社員への技能・ノウハウの継承

といった副次的な効果も期待できます。これらの取り組みは、ほとんど費用をかけずに始めることができ、今日からでも実践可能です。

9. 健康診断だけでは足りない?

エイジフレンドリーを支える体力チェックと意識改革

企業の健康管理といえば、年1回の定期健康診断が代表的ですが、エイジフレンドリーの視点から見ると、これだけでは十分とはいえません。健康診断が主に確認しているのは「健康状態の把握」であり、

  • 転倒しやすさ
  • 作業に耐えうる筋力があるか

といった身体機能面の評価は、含まれていないことが多いためです。

体力チェックで「現在地」を知る

高年齢労働者の労災を防ぐためには、「自分の体力年齢」を客観的に知るための「体力チェック」の実施が推奨されます。

中央労働災害防止協会などが提供している体力測定プログラムを活用すると、

  • 握力
  • 片足立ち時間
  • 敏捷性

などを数値化し、同年代との比較が可能です。

自分の体力が想定よりも低下していると気づくことは、ショックに感じる方もいるかもしれません。しかし、それは非常に重要な「意識改革」のきっかけになります。

  • 「自分はまだ若いと思っていたが、バランス能力が落ちている」
  • 「これからは階段を使うとき必ず手すりを持とう」

といった具体的な行動変容につながるからです。エイジフレンドリーガイドラインでも、「身体機能の実態」と「本人の自己認識」とのズレを修正する重要性が示されています。

健康意識を前向きに変える

産業保健師など専門職との連携により、従業員の健康意識を高めていくアプローチも有効です。

  • 「老化には個人差がある」
  • 「運動や食事によって、老化の進行を緩やかにできる」

といった正しい知識を伝えることで、健康づくりに前向きに取り組むきっかけをつくることができます。

健康管理を「我慢」や「義務」として押し付けるのではなく、「長く元気に働くための前向きな活動」として位置づけることが、エイジフレンドリーな企業文化づくりのポイントです。

企業が体力測定の機会を提供し、健康づくりを後押しすることは、結果的に生産性向上や医療費の抑制にもつながります。

10. 先進企業の成功事例から学ぶ

エイジフレンドリーな職場づくりの秘訣と効果

すでに多くの先進企業がエイジフレンドリーな取り組みを進めており、一定の成果を上げています。こうした企業の事例に共通しているのは、

  • 小さな改善の積み重ね
  • 全社的な巻き込み

の2点です。

事例1:意識改革で事故件数を6割減少

ある小売業の企業(A社)では、徹底した3S(整理・整頓・清掃)活動と、危険予知トレーニング(KYT)を組み合わせることで、高年齢労働者が増加しているにもかかわらず、事故件数を6割以上削減することに成功しました。

この事例は、特別な設備投資を行わなくても、従業員一人ひとりの意識を変えることで、安全性を大きく向上できることを示しています。

事例2:アナログな「対話」の仕組みが奏功

農業法人(C社)では、交換日誌を用いて上司と部下がヒヤリハット事例を共有する仕組みを構築しました。アナログな手法ではありますが、「文字にして書く」ことで、口頭では伝えにくい体調不良や作業への不安も相談しやすくなり、メンタルヘルスの改善にも好影響が見られました。

これらの事例から学べるポイントは、「自社の業種・規模・現場に合った対策を、従業員との対話を通じて見つけること」です。他社の施策をそのまま真似るのではなく、自社の現場にフィットするエイジフレンドリーな工夫を重ねることが、成功への近道です。

11. 専門サービスの活用も選択肢に

自社だけで対応しきれない課題への向き合い方と情報収集

ここまでさまざまな対策をご紹介してきましたが、「具体的に何から始めればよいかわからない」「社内に詳しい人材がいない」とお悩みのご担当者も多いのではないでしょうか。

特に中小企業では、人事・総務が安全衛生を兼務しているケースも多く、専門的な知識や時間を十分に確保しづらいのが実情です。そのような場合には、「自社だけで何とかしよう」と抱え込まず、外部の専門サービスを活用することも検討の余地があります。

外部専門家に依頼できるサポート内容

近年、エイジフレンドリー対策に特化したコンサルティングや、産業医・産業保健師による巡視・指導サービスを提供する企業が増えています。こうした専門家は、

  • 最新の法令動向
  • 他社の成功事例
  • 実効性の高い具体策

に精通しており、自社の状況に合わせたプランを提案してくれます。

また、エイジフレンドリー補助金の申請サポートを行う機関もあり、煩雑になりがちな書類作成の負担を軽減できます。「さんぎょうい株式会社」のような専門機関に相談することで、効率的かつ確実に対策を前に進めることが可能です。

情報収集で「取り残されない」状態を保つ

併せて、日頃から情報収集のアンテナを高くしておくことも重要です。厚生労働省や中央労働災害防止協会のウェブサイトでは、最新のガイドラインやチェックリスト、動画教材などが無償で公開されています。

これらの公的リソースを上手に活用し、社内の安全衛生教育や体制整備に役立てていくことが、結果としてコスト削減にもつながります。

2026年4月の施行に向けて、こうした外部の力も借りながら準備を進めることで、エイジフレンドリーな企業へのスムーズな移行が可能になります。専門家への相談は、コストではなく、将来のリスクを抑えるための「投資」と捉える視点が大切です。

12. まとめ:エイジフレンドリーな取り組みで押さえるべき重要ポイント

2026年4月の法改正まで、残された時間は限られています。ここまでの内容を踏まえ、次のポイントをあらためて確認し、早期に行動へつなげていきましょう。

「うちは大丈夫」を手放す:
高齢者の身体機能低下は「見えにくいリスク」です。健康診断の結果だけで安心せず、転倒・腰痛などのリスクを前提とした対策が必要です。

4月までに準備を終える:
法改正の施行日は2026年4月1日です。リスクアセスメント(エイジアクション100など)の実施や、危険箇所の洗い出しは、今から着手しても早すぎることはありません。

エイジフレンドリー補助金を活用する:
手すり・滑り止め・照明・補助機器などの導入には、国の補助金を賢く活用しましょう。令和8年度の申請期間(例年5月〜)を見据え、現時点から見積もり取得などの準備を進めることが重要です。

対話と教育を徹底する:
1on1による体調確認や、高年齢労働者向けの安全教育は、ほぼ費用ゼロでできる有効な予防策です。

専門家の力を借りる:
自社だけで抱え込まず、産業医や専門コンサルティングなど外部の力を活用し、確実な体制づくりを目指しましょう。

エイジフレンドリーな職場づくりは、高年齢労働者を守るだけでなく、企業の生産性向上と持続可能な経営を実現するための不可欠な条件となりつつあります。令和の時代に「選ばれる企業」であり続けるために、今こそ本気で取り組みを進めていくことが求められています。

(文・監修/大内 麻友美)
さんぎょうい株式会社/ソリューション事業部 (看護師/保健師・キャリアコンサルタント・第一種衛生管理者・産業カウンセラー他)
看護師の後、働く人の健康管理に携わるため保健師として産業保健業務に従事する。
現職では、さまざまな規模の企業に対して、個別支援を中心としたかかわりから、広く集団に向けて健康情報の発信や、喫煙対策プログラム構築、保健師の導入支援など産業保健サービスに携わる。

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