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セルフケアを支える健康経営
継続しやすく、効果も見える――EPLinkのe-learning活用事例

株式会社EPLink 様

【概要】
株式会社EPLinkは、日本のSMO(治験施設支援機関)業界をリードする企業です。1,400名を超えるCRC(治験コーディネーター)を擁し、全国33拠点から医療機関や治験に関わる医師・看護師を支援しています。

約2,100名の社員のうち8割以上が女性。社外勤務が中心の働き方ゆえに、業務負荷やストレスへの対策は長年の経営課題でした。2024年度から「さんぎょうい㈱」とともに健康経営に取り組み、2025年度には健康経営優良法人に認定。同年より、さらに一歩進め、睡眠・休養や女性の健康をテーマにしたe-learningを導入し、従業員一人ひとりのセルフケア実践につなげる取り組みを展開しています。

今回は、株式会社EPLink 人事部部長 小西拓様、人事部人事課マネージャー 齋藤早苗様、管理センター 福田昌子様に、取り組みの背景や設計の工夫、実施後の変化についてお話を伺いました。

事業内容
  • 治験実施施設支援事業
  • 心理評価事業
  • 労働者派遣事業および有料職業紹介事業
従業員数
約2,100名
所在地
東京都新宿区筑土八幡町2番1号
https://www.ep-link.co.jp
健康経営宣言
株式会社EPLinkは、EPSグループの基本理念「価値あるソリューションの創出を通じて、健康産業の発展に貢献します」のもと、新薬を待ち望んでいる患者さんのもとへ、一日でも早く新薬を届けられるよう、従業員が心身ともに健康で安心して業務を行うことができ、やりがいと生きがいを持って長く勤められる働きやすい会社を目指します。また、従業員だけではなく、その家族を含めた心身の健康づくりをサポートしてまいります。

※2026年4月現在の情報です。

株式会社EPLink オフィス入口

難易度の高い仕事だからこそ、セルフケアを健康経営の第一歩に

インタビュアー

今回e-learning(動画研修)を導入された背景を教えてください。

小西様

当社は、医療機関や患者さんと向き合いながら、新薬開発を支援する事業を展開しています。専門性や正確性が求められる上、調整業務も多く、業務負荷が高くなりやすい環境です。さんぎょうい㈱の健康経営サポートを活用し、従業員アンケートを実施したところ、多くの従業員が女性特有の健康課題を抱えていることが分かりました。なかでも睡眠に関連した生活習慣上の課題への対応が重要だと考えました。

一方で、仕事そのものの難易度を大きく変えることはできません。そこで、まずは取り組みやすいセルフケアを切り口に、健康情報の提供と実践機会をつくろうと考えました。睡眠や休養が十分に取れていないという声も多く、改めて健康について学ぶ機会が必要だと判断し、e-learningの導入を決めました。

インタビュアー

数ある健康施策の中で、なぜe-learningを選ばれたのでしょうか。

小西様

当社は約7割の従業員が社外を中心に勤務しており、本社勤務者も在宅勤務を活用しています。全員が一箇所に集まるスタイルでは実施が難しいため、自分のタイミングで学習できるWeb配信がベストと判断しました。受講状況や受講後の反応を集計して効果測定がしやすい点も、e-learningを選んだ理由の一つです。

社外勤務の多い従業員にも届く、負担をかけないe-learning設計

インタビュアー

今回の4か月間のe-learningの設計で、とくに重視されたポイントを教えてください。

小西様

従業員の8割以上が女性であり、これまでの従業員の意識・行動に関するアンケート結果から、重点テーマを女性の健康と睡眠、メンタルヘルスとしました。いかに負担なく継続して学習できるかを重視し、動画の長さや配信のタイミングを工夫しました。まとまった時間を確保するスタイルではなく、毎月1〜2本ずつ配信して気軽に視聴できる形にしています。コンテンツは管理職・一般社員で区別せず、全従業員が同じ内容を学ぶことを前提としました。また、e-learningの導入時と終了時に研修効果測定を目的としたアンケートを実施し、健康施策をPDCAで運用できる設計としています。

「知って終わり」ではなく、日々の行動変化につながった従業員の反応

インタビュアー

とくに評判が良かったコンテンツはありますか。

小西様

「レジャークラフティング(余暇活動を積極的・意識的に計画すること)」を扱ったコンテンツへの反響が大きかったです。「考え方が新鮮だった」「取り組みやすかった」という声が多く、具体的な提示が行動を変えるきっかけになったと感じています。

齋藤様

「休日も平日と同じ生活リズムを維持する」「週明けにつながる過ごし方をする」がとくに学びになったという声が目立ちました。意識しなければなかなか変えにくい休日の過ごし方を、見直すきっかけになったと思います。

インタビュアー

従業員のみなさんの実際の反応はいかがでしたか。

小西様

実際に学んだことを行動に移したという声も多く、たとえば、「睡眠時間を確保するために30分早く寝るようにした」「就寝前のスマホ利用を控えた」「休日も平日とリズムを崩さないよう心がけた」などの回答が、アンケートに寄せられました。一つひとつは小さな変化かもしれませんが、実践してみたという回答が目立ったのは、健康リテラシーの向上につながった成果の一つだと考えています。

インタビュアー

男性社員にも女性の健康コンテンツへの反応はありましたか。

小西様

ありました。男性にとって女性の健康は自分ごとと捉えにくい面がありますが、会社が提供する学習コンテンツとして取り上げることで、「一緒に働く仲間に関わるテーマ」として認識できたと思います。管理職であれば、「自分の部下にも同じような状態の人がいるかもしれない」と受け止められるようになった点は、大きな効果だと思います。

齋藤様

当社は女性社員が多いため、女性の健康に関する理解や配慮は、職場でのサポートを考えるうえで重要な要素です。そうした背景もあり、このテーマへの関心の高さや学ぶ姿勢が、動画の高い視聴率にも表れていたと感じています。
株式会社EPLink オフィス内

数字にも表れた、セルフケア意識の変化

インタビュアー

とくに手応えを感じた数値結果について教えてください。

小西様

e-learningの導入時と終了時のアンケート結果を比較した時、睡眠時間そのものには大きな変化は見られませんでしたが、「睡眠や休養が十分に取れていると感じている人」の割合は増加しました。睡眠の質にも目を向けたことで体の変化を実感できた、という学びが反映された結果だと思います。

また「女性特有の健康課題による不調を自覚している人」や「体調不良が業務に影響していると感じている人」の割合が減少しました。

インタビュアー

不調を感じている人の割合が、44.7%から41.4%に減少したという結果でしたが、この変化をどのように受け止めていますか。

小西様

このような改善の傾向が見られたことは、前向きな成果だと感じています。自分の体調を客観的に捉えられるようになった従業員が増え、我慢せずに、医師や産業医に相談するという選択肢を意識する変化につながると思います。こうした変化は、今後も組織に良い影響をもたらしていくと考えています。

齋藤様

健康に関する知識やリテラシーが高まり、自ら行動に移せる従業員が増えました。産業医への健康相談が増えてきたことも、「一人で抱え込まず一歩踏み出す」という意識の変化の表れだと感じていますね。

産業保健の専門職によるe-learningが、女性の健康理解を職場全体に根づかせる

インタビュアー

今回の取り組みを通じて、産業医や産業保健の役割について感じたことを教えてください。

小西様

産業医による講話をコンテンツとして配信したところ、「専門家の話は説得力がある」「受診や相談へのハードルが下がった」という声が寄せられました。産業医は不調時だけでなく、日常的な情報発信を通じてセルフケアを支える存在であると、今回改めて実感しました。

齋藤様

会社からの情報発信は、「従業員の健康を大切にしている」というメッセージにもなります。さんぎょうい㈱さんが当社のアンケート結果を丁寧に分析し、それを反映した施策やコンテンツを提案してくださったことで、従業員の心に響く内容になったと感じています。

福田様

専門家が監修したコンテンツは、社内だけで制作する場合と比べて信頼性が高く、知識や客観性の面でも優れています。とくに女性はライフステージごとに心身の変化を経験する機会が多いため、今回の女性の健康をテーマとしたコンテンツは、女性従業員はもちろん、職場やご家族に女性がいる男性社員にとっても理解を深める大切な機会になったと感じています。

1回で終わらせず、学びを続ける仕組みにする

インタビュアー

今後の展望を教えてください。

小西様

セルフケアの定着には、継続的な取り組みが不可欠だと認識しています。今後も、従業員に届きやすい発信方法や学習機会のあり方を工夫しながら、理解と実践の促進を図っていきたいと考えています。また、休日・休暇制度を含む働き方に関するルールについても、中長期的な視点で見直しを検討していく必要があると考えています。課題を短期間で解決することは容易ではありませんが、セルフケアを重要なテーマとして位置づけ、引き続き課題整理と必要な施策の検討、情報発信に取り組んでまいります。

齋藤様

e-learningは、一度配信して終わりではなく、繰り返し視聴を促せる点が良いと思っています。「もう一度見返したい」と思ったときに、自身でいつでも見返せる仕組みは、継続的な学習に適しています。会社が継続して取り組む姿勢も、従業員への大切なメッセージになるのではないでしょうか。

従業員の不調を個人任せにしない。組織で支える健康経営へ

インタビュアー

最後に、同じような課題を抱える企業へのメッセージをお願いします。

小西様

体調不良は、どうしても個人の問題と捉えられがちですが、そこで終わらせてしまっては、組織マネジメントの意味がありません。従業員の不調が軽減されれば、生産性の向上につながります。また、アンケートなどを通じて従業員の声を丁寧に拾い、その実態を踏まえた施策を検討していくことも重要であると考えています。すぐに効果が表れるものばかりではありませんが、長期的な視点で取り組むことが大切です。当社のように全国に従業員がいる会社にとっては、場所や時間の制約を受けにくいe-learningの活用も、有効な方法の一つです。

齋藤様

自社の健康課題を客観的に把握し、専門家の知見を取り入れ、施策を検討していくことが、より高い効果につながると思います。会社としても、従業員の健康を大切なテーマとしてしっかり捉え、健康保持・増進に継続して取り組んでいく姿勢を持つことが大切だと感じています。そのうえで、必要な情報発信や学ぶ機会を積み重ねながら、継続的に行動していくことが重要ではないでしょうか。

福田様

正しい知識を身につけることは、未来の自分を守ることにつながります。それは仕事だけでなく、生活全般を潤していくと思います。会社が健康に関する情報を発信し、従業員が学ぶ機会を提供することは、とても意義のある取り組みだと考えています。

さんぎょうい㈱

本日は貴重なお話をありがとうございました。EPLink様の取り組みからは、従業員の健康課題を個人の問題にとどめず、実態を把握しながら、自社に合った施策を継続的に進めていくことの重要性がよく伝わってきました。e-learningを活用した今回の実践は、従業員一人ひとりに学びの機会を届け、職場全体の理解を深めていくうえで、多くの企業にとって参考になるものだと感じています。

さんぎょうい㈱は、今後も企業ごとの状況に寄り添いながら、その取り組みを支えてまいります。

インタビュアー:さんぎょうい㈱ ソリューション事業部 前田明子