株式会社EPLink 様

左から さんぎょうい㈱ 産業保健推進部 アシスタントマネージャー 髙木萌、さんぎょうい㈱健康経営コンサルタント 前田明子、株式会社EPLink 人事部担当課長 齊藤早苗様、株式会社EPLink 管理センター担当部長 松田隆様
企業紹介【概要】
日本におけるSMO(治験施設支援機関)のリーディングカンパニーとして知られる「株式会社EPLink」。1300名を超えるCRC(治験コーディネーター)が所属し、治験に係わる医師や看護師のサポートを行っています。
医療機関の事務局スタッフの業務のサポートはもちろん、運営補助による負担軽減や、被験者への対応、モニタリングなどその仕事内容は多岐にわたり、今や日本の医療においてなくてはならない存在として知られています。とくに「がん領域」に圧倒的な強みを持ち、全国のがんセンターやがん診療連携拠点病院を支援。その専門性の高さと蓄積されたノウハウにより、業界No.1の実績を誇っています。
社員数は約2000名。全国に33の拠点を持つ大企業として、健康経営優良法人としての認定を受けるべく、2024年春、私たち「さんぎょうい㈱」とともに課題解決に乗り出しました。
株式会社EPLink 会社情報事業内容
- 治験実施施設支援事業
- 心理評価事業
- 労働者派遣事業および有料職業紹介事業
健康経営宣言
株式会社EPLinkは、EPSグループの基本理念「価値あるソリューションの創出を通じて、健康産業の発展に貢献します」のもと、新薬を待ち望んでいる患者さんのもとへ、一日でも早く新薬を届けられるよう、従業員が心身ともに健康で安心して業務を行うことができ、やりがいと生きがいを持って長く勤められる働きやすい会社を目指します。また、従業員だけではなく、その家族を含めた心身の健康づくりをサポートしてまいります。 
※2025年6月現在の情報です。
医療の最先端で働くタフな人材。それを支える組織づくりが第一の課題に

EPLink様が抱えていた課題
健康経営の課題と取り組みについての対談 | EPLink × さんぎょうい健康経営の課題と取り組みについての対談
登場人物:前田・髙木・松田様・齊藤様
髙木
本日はよろしくお願いします。まず、健康経営優良法人の認定を受けるにあたり、御社が抱いていた課題を教えてください。
松田様
弊社は全国約7000の医療機関と提携し、常時約1300人の治験コーディネーターが医療機関に出向いて働いています。ドクターや看護師などの医療機関スタッフ、患者様と接する機会が多いことから、社員の健康管理を行い健康度を高めること、また、離職率を下げることなどが課題としてありました。
齊藤様
社員の8割強が女性で看護師、臨床検査技師などの資格をお持ちの方が多いのですが、多くは治験コーディネーターとして、医師のサポートをする形で治験がスムーズに進むようお手伝いをしています。しかし女性には、出産や子育てといったライフイベントがありますし、ライフステージに合わせた健康施策も必要となってきます。全社をあげて健康経営を進めるにあたり、女性ならではの問題を解決することも必要とされていました。
前田
治験コーディネーターは、とても責任の重いお仕事だと思います。メンタル面の負担を和らげることも考えておられましたよね。
松田様
そうですね。医療機関に出向きお客様の元で働くという緊張感もさることながら、患者様にいち早く新しいお薬をお届けするために、新薬開発に必要なプロセスである「治験」のお手伝いをするという仕事ですので、そのような環境でも働けるタフな人材が求められます。でも、そうしたタフな方もやはり人間ですから、不調は生じてしまうもの。会社が心身ともに社員をサポートすることで、少しでも働きやすい環境を整えられれば、離職される方も減り、やりがいをもって働き続けていただけるのでは?と考えた次第です。
齊藤様
決して離職率が高い業界ではありませんが、専門性が高く優秀な人材が必要とされる業界だからこそ、能力が身につき今後の成長が期待されるところで退職してしまうという事態はなるべく避けたいと思っています。専門性を持つまでには時間がかかりますし、知識の習得については本人のたゆまぬ努力が必要になります。そうした継続性を無駄にすることなく、辞めずに働き続けたいと思ってもらえるような組織づくりが必要なのだと、今回、健康経営を進めるにあたり、痛切に感じました。
女性特有の健康問題は、見えないことが多い

健康経営優良法人として認定
健康経営優良法人認定に向けた歩み | EPLink × さんぎょうい健康経営優良法人認定に向けた歩み
登場人物:前田・髙木・松田様・齊藤様
前田
EPLink様はちょうど1年前から健康経営に取り組んでいらっしゃいますが、このたび健康経営優良法人として認定されたとのこと、おめでとうございます。
私自身、コンサルとして課題解決に向けて伴走させていただきましたが、多くの課題にぶつかりましたね。
齊藤様
何をどうすればいいか、まるでわからなかったというのが正直なところでした。さんぎょうい㈱さんから助言をいただくことで、会社全体の課題が見えたように思います。
前田
健康経営の認定を目指す、ということがまず入口のところでありましたよね。そのため、まずは経済産業省が出している健康経営度調査票をいただき、組織体制や認定条件を満たす施策を行っているかなどをチェックさせていただきました。
齊藤様
たった1年前のことなのに、懐かしいですね。
前田
どんなことに力を入れていて、どこに手が付けられていないか、現状把握から手を入れたと記憶しています。御社は会社の規模が大きく、拠点も全国に散らばっておられる。どうやって現状把握をしていくか、これが最初の難関になりましたね。
髙木
健康診断の結果やストレスチェックの結果なども拝見させていただいたんですよね。でも、なかなか課題が見えなくて……。
前田
単純に健康データやストレスチェックを見るだけでは、施策を打つことはできません。ですので、食事や睡眠、運動、どんなところが足りないのか、弱いのか、そうした問題点を、松田さんや齊藤さんとともに一所懸命探しましたね。
齊藤様
生活習慣アンケートを行っていただいたことで、社員の健康状態が浮き彫りになりましたよね。私たちも気づいていなかった問題がたくさんあり、本当に驚きました。

女性ならではの問題へのアプローチ
女性特有の健康課題と施策への気づき | EPLink × さんぎょうい女性特有の健康課題と施策への気づき
登場人物:前田・髙木・松田様・齊藤様
前田
健康診断の有所見率をチェックして生活習慣病対策を行うよう厚労省は勧めていますが、それってあくまでも男性の話なんです。女性はエストロゲンに守られているので、閉経するまでは生活習慣病にかかるリスクはかなり低いといわれています。ですので、健康診断のデータをいくら眺めても課題は見えにくいんですよ。
齊藤様
メンタル面を測る設問も用意していただけましたよね。こうした施策ひとつひとつとその連動性から、女性ならではの問題がたくさんあるのだとわかって良かったと思います。
髙木
前田さんが提案したのはどのようなアンケートだったんですか?
前田
たとえば、プレゼンティーイズム。体調が良いときのパフォーマンスを100とした場合、過去4週間のあなたのパフォーマンスはどれくらいでしたか?という質問を行いました。全国区のスコア・尺度を開発された大学の発表では、日本人の平均は84.9%で、健康上の理由で本来のパフォーマンスが発揮できていない状態が15%であるとのことでしたが、EPLinkさんは75%程度と平均より低い状態にありました。
松田様
他の質問からワークエンゲージメント、熱意、満足度というところのスコアを見ると、熱意は高いけれど活気が今ひとつという結果も見られたんですよね。ものすごくがんばっているけれど、疲れている社員が多い、と。
齊藤様
大きな気づきでした。また、女性は常にホルモンの影響を受けやすく、ライフステージに応じて環境変化も多いので、様々な形で不調になることがわかりました。この結果により健康経営に向けた施策を考えられたので、さんぎょうい㈱さんには感謝しかありません。
前田
ありがとうございます。女性特有の健康課題に着目しないと、従業員の皆さんに納得していただける施策を打ち出すのは難しいですからね。今後も、皆さんの心に寄り添うことができる施策をご提案させていただきます。
健康経営はこれからが本番。全国に伝わる施策を模索中

全国の支社に健康経営の輪を広げる
健康経営をさらに押し進めるための施策 | EPLink × さんぎょうい健康経営をさらに押し進めるための施策
登場人物:前田・髙木・松田様・齊藤様
髙木
今後も健康経営をさらに押し進めるにあたり、どのような策を練られていこうと思っていますか?
齊藤様
健康経営1年目は、とにかく現状把握と実施できる施策を少しでも、と目の前のことに懸命になっていましたが、2年目に入り、会社全体として一体感を持っていくことを念頭に入れました。ですが、全国にいる社員一人ひとりにまで施策を届けることの難しさに直面しています。
松田様
弊社は全国規模のため、本社だけでハンドリングするのはどうしても難しい。全国の支店に「安全衛生委員会」が設けられているのでそちらとタッグを組み、産業医の先生とも連携しながら体制を整えているところです。各支店に施策や取り組みを共有し、安全衛生委員会で取り上げてもらって、広めていただくことを進めています。
齊藤様
地方の社員でも参加できる施策ということで、さまざまな情報収集をしたり、検討したりしました。
松田様
人数が多いからといって本社を中心に考えてしまうと、施策の意味がなくなってしまう。全国同じ内容のものを施策に挙げなければならない。これは、大きな会社さんなら誰もが抱える悩みなのかもしれませんね。
齊藤様
ちょうど、さんぎょうい㈱さんにご相談したタイミングでご提案いただいた「健康宅配食」は、本当に画期的でした。全国津々浦々、どこにいても健康に気遣った食事を利用できるというのは、忙しく働く社員の皆さんにとってうれしいサービスになると思います。
前田
私も「健康宅配食」を使っているんですよ。味が良いのは大前提ですが、主人も私も家に帰る時間がバラバラだし、そのときの気分に合わせてそれぞれ食べたいものを食べられるので、助かっています。
齊藤様
バランスよく体に良いものを作るとなると、手間がかかりますからね。この宅配食により、食生活改善へのアプローチはできたのではないかと思っています。
髙木
EPLink様では、弊社からの提案以外にも、健康保険組合が行っているさまざまなイベントを活用されていますよね。さまざまな情報を得てきている中、健康経営のパートナーとして弊社を選んでいただいた理由はどのようなものだったのでしょうか?
齊藤様
産業医の先生をご紹介いただいた実績があり、お声掛けしやすかったということもありますが、何よりも、知識と好奇心をもって接してくださり、弊社のことを知ろうとしてくださったことが大きかったと思います。些細なことまですごく深堀りして聞いてくださり、その上で、本当に必要なことを提案してくださいましたよね。
何が課題なのか想像はできても、目に見える形で把握することは難しかったです。ましてや女性が多い会社なので、男性が多い会社のように「喫煙者が多いから禁煙に関する施策を」というような、わかりやすい施策を打つことができずにいました。ですので、当社のことを理解し、当社に合った施策を提案してくださったさんぎょうい㈱さんのコンサル能力は、本当にすばらしいと思います。

健康度も満足度も上げる取り組み
健康経営の継続と未来への展望 | EPLink × さんぎょうい健康経営の継続と未来への展望
登場人物:前田・髙木・松田様・齊藤様
前田
ありがとうございます。そう言っていただけると、コンサル冥利につきます。
松田様
良い意味で、気さくで、気軽で、人柄が良い。これもさんぎょうい㈱さんの魅力ですね。おかげで、認定がとれました。何よりありがたかったのは、レスポンスの速さですね。スムーズに、そしてスピーディに、施策を立てることができました。
前田
EPLink様で働く皆様は、基本的にリテラシーが高い方が多いので、そうした方に響く施策を立てるために、これからもお手伝いさせていただけますと幸いです。
齊藤様
今後もぜひお力添えいただき、私たちも社員の皆さんにしっかり届き、実践できる施策を検討し、発信していきたいと思っています。ちなみに松田は、健康経営に関するメールを出すとき、朝イチで出すようにしているんですよ。
松田様
目にとめてもらいやすいのは、朝イチのメールですからね。どのような施策もメッセージも、届いてこそですから。
前田
健康度を上げるために、発信などかなりがんばっていただいていますね。今年度の施策である「eラーニング」を始めたばかりですが、受講された方の意見を拝聴すると、「会社がこうした取り組みをしてくれてありがたい」といったご意見も多くあがっています。
前田
満足度もとても高いんですよ。さすがEPLink様ですね。
松田様
弊社では、健康経営に取り組む以前から、働きやすさを重視した勤務制度や福利厚生制度を設けています。スーパーフレックスタイム制や、1時間単位で取得できる有給休暇、産前産後休暇や育児休業、育児補助支援金など、社員のモチベーションにつながるような柔軟性と優位性のある制度を設けています。
齊藤様
社員の皆さんに浸透していないという点も、課題だったんです。社員に対し、そうした部分もアピールしていきたい、そう思っていたところだったので、今回の健康経営の推進は、弊社のさまざまな取り組みを発信する良い機会になりました。
松田様
説明が丁寧で、期限も順守していただけるので、さんぎょうい㈱さんにお任せして良かった、と感じています。
弊社は今年、健康経営優良法人の認定を取得しました。グループ会社であるEPS株式会社も同時に取得。株式会社EPファーマラインは3年前に取得し、認定を継続していただいています。施策や課題は経営の指標によって変わってくると思うのですが――認定を得るために必要なのは、継続的にコツコツと、現場の目線に立って進めていく、ということですかね。
齊藤様
上から目線では、人はついてきてくれません。全国各地で、今まさに病に悩んでいる患者様がいて、そうした方たちのためにより良い薬を届けるべく、毎日がんばってくれている社員の皆さんを支えるのが、私たちの仕事ですから。さんぎょうい㈱さんにはこれからもご迷惑をかけることもあるかもしれませんが、支えていただけるとうれしいです。
前田
ありがとうございます。いつどのようなときもお力になれるよう、鋭意努力してまいります。