三井不動産ファシリティーズ 様

左からさんぎょうい㈱健康経営コンサルタント 前田明子、三井不動産ファシリティーズ(株) 人事部 人事企画課 課長代理 大塚真博様、さんぎょうい㈱ 産業保健推進部 シニアマネージャー 坂本博紀
企業紹介【概要】
三井不動産グループの施設管理業務を担う中核企業として、都内を中心としたオフィスビルや大型商業施設などの設備管理・清掃・警備業務を中心とした総合ビルメンテナンス事業を展開する「三井不動産ファシリティーズ」。
1957年の設立以来、「お客様にとって価値あるサービスを提供する」「常に革新の心を忘れずサステナブル社会の実現に貢献する」「社員を大切に想い社員とともに成長する」を経営理念とし、ビジネスや生活のさまざまな場面において、安全・安心・快適という「当たり前の空間」を提供。手掛ける不動産管理棟数は約340棟と、首都圏エリアでトップクラスの実績を誇り、その中には「東京ミッドタウン」や「ららぽーと」など、誰もが知る施設が数多く含まれています。
そうした中、大塚さんは忙しく働く社員を支えるべく人事の仕事に就き、社員が安心して働ける環境づくりを担当。その一環として、【健康経営】を推し進めています。今回は、健康経営づくりをサポートする弊社の社員2名が加わり、大塚さんとともに対談を行いました。
三井不動産ファシリティーズ株式会社 会社情報 
事業内容
- 建物とその附帯設備の管理・保全・修繕・更新工事等の請負
- 建物内外の清掃・保安・警備の請負
- 建物・施設管理に関する運営・全体管理業務の請負
- 建物の保全に関するコンサルティング・調査
- 建物の省エネルギーに関するコンサルティング・調査・運用改善の支援業務等の受託
- 建築工事・管工事・電気工事・電気通信工事・内装仕上工事・塗装工事等の設計、施工の請負
- 駐車場の管理業務の請負
- 資機材類、什器備品類等の商品販売
- 保有資産の賃貸
- その他前各号に附帯する一切の業務
健康経営と体制
【健康経営宣言】 三井不動産ファシリティーズは、安全・安心・快適な高品質の施設環境の提供および持続可能な社会の実現に貢献し、
「社員を大切に想い、社員とともに成長する」ことを経営理念としています。
当社はすでに、多様な価値観・才能を持った意欲ある誰もが活き活きとやりがいを持って長く働きたいと思える職場づくりに取り組んでいますが、
今後さらに持続的な成長を遂げていくためには、従業員一人ひとりが心身ともに健康であることがとても重要と考えているため、
従業員の健康維持・増進に積極的に取り組んでいくことを宣言します。
【取り組み体制】 代表取締役社長を健康経営推進の最高責任者、健康経営推進統括責任者を人事部長とした健康経営推進チームを設置し、
定期的に経営層へ報告を行っています。
また、健康保険組合・産業医・安全衛生委員会と連携、協議し、従業員の健康維持・増進に向けた取り組みの企画・立案を行いながら、
健康経営を推進しています。
さんぎょういをパートナーに選んだ理由は「信用」
健康経営の推進と成果についての対談 | 三井不動産ファシリティーズ × さんぎょうい健康経営の推進と成果についての対談
登場人物:前田・坂本・大塚様
前田
三井不動産ファシリティーズ様は、社員3800名の大企業ということで、労働・安全・衛生の面はしっかりPDCAサイクルで回して来られていらっしゃいますよね。さらに健康経営を進めることになったキッカケは、どのようなものだったのでしょうか?
大塚様
当社は労働集約型の企業です。健康経営に取り組むことで社員のエンゲージメントを高め、組織を活性化させたい、会社の生産性の向上を目指したい、社員の仕事に対する姿勢やモチベーションを上げ会社全体を活性化させたい、というのが、すべてのスタート地点となっています。
私たちが健康経営に取り組んで2年ほどになるのですが、実はもともとは健康経営自体、考えたことがなかったんです。しかし「生産性の向上」を追求するうえで、従業員の健康状態やエンゲージメント数値を把握し、会社の課題を抽出したうえで改善施策を立案・実施し、事業環境や就業環境を改善することが重要であることに気付き、健康経営を進めることになりました。
坂本
三井不動産ファシリティーズ様は、特に積極的に施策に取り組んでいただいてますが、健康経営に取り組むにあたって、私たち「さんぎょうい」をパートナーに選んでいただいたことに理由はありますか?
大塚様
もともとお付き合いをさせていただいていましたので、健康経営を進めることになったタイミングで、最初にご相談させていただきました。さんぎょうい㈱さんが健康経営推進のために行っているサービスを紹介していただき、健康経営コンサルタントの前田さんからお話を伺ったところ、信用するに値する会社であると、判断した次第です。
前田
ありがとうございます。そう言っていただけると、本当にうれしいです。
大塚様
こちらこそ、さんぎょうい㈱の皆さんや、協力してくださった社員の皆さんのおかげで、経済産業省と日本健康会議が共同で進めている「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定していただきました。これからも、社員の健康維持や健康増進に、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
社員の健康を守ることは、企業の責任でもある

前田
健康経営に取り組まれてみて、不安に思われたことはありますか?
大塚様
我々はまったくの素人でゼロからのスタートでしたので、不安を感じることすらわからなかった、というのが正直なところです。1から丁寧に教えていただけたので、その後も大きな不安はありませんでした。
前田
最初にご提案させていただいた施策は、健診の事後措置を強化することについてでしたね。
大塚様
弊社は従業員の平均年齢が高めなのですが、さんぎょうい㈱さんからご提案いただき、まさに渡りに船でした。
結果として、産業医の先生との面談を取り付けるなどの対処を行うことで、安全配慮義務を担保しながら具体的に健康度を上げていくことが可能になりました。
大塚様
現在、5割を超えるくらいになっています。でも、まだまだ足りていないと感じているので、もっと実績を上げたいと思っています。
前田
私たちから見てありがたかったのは、社員様の健康管理データや労務管理についてのデータなど、さまざまな情報をご提供いただけたという点です。健康面に不安を抱えている方がどの程度いらっしゃって、どのように対応していくか、健康な状態で長くご勤務いただけるかなど、データがあることでより明確になりました。
会社としての安全配慮義務をどのように維持するかというシステムも必要ですので、さまざまな方面から見て、どのような対応・対処が三井不動産ファシリティーズ様にとって必要なのかを、特に時間をかけてお打ち合せさせていただきました。
大塚様
そうしたやりとりの中から、弊社における健康課題もまた、見えてきたように思います。
研修への参加率は90%超。社風に沿った研修で興味を引き出す

坂本
健康経営を進めている中で、課題と捉えていらっしゃることはありますか?
大塚様
社員にいかに浸透させるかという点が、最も大きな課題だと感じています。現在、社内SNSや業務連絡書を通じて社員に発信していますが、社員一人ひとりにきちんと伝わっているかどうかは目に見えません。徹底的な周知を行うことは、簡単ではないと実感しているところです。
健康というのはそれぞれに感じ方が違いますし、会社がこういった取り組みをしたとしても、成果が出るのは数年は先になるもの。今すぐに実感が持てないことも、周知を妨げている要因のひとつになっているかもしれません。
前田
従業員への浸透が難しいとおっしゃられていますが、大塚さんをはじめとした三井不動産ファシリティーズの皆様は、私たちから見てとてもすばらしいと感じています。健康経営についてよく学んでくださっていますし、特に健康経営の方向性をつくられるとき、非常に適切な対応をとられていると思います。私たちが健康経営について介入させていただいた2年前と現在を比べると、体制が万端に整えられていますし、施策のバリエーションが増えていることを実感しています。
坂本
どの企業様も、浸透の難しさや成果を出すまでの長さについて、悩まれていらっしゃいますからね。会社は社員が健康的に働くことで上手く回るもの。経営トップの方には、その点を理解いただきたいと思っています。
前田
三井不動産ファシリティーズ様は社内の連携がスムーズで、私たち自身もやりがいをもってご協力しております。トップの方針がはっきり定まっていると、お取引のある会社にまで波及させるような施策をつくり上げることができてしまう。本当に素晴らしいことだと思います。
坂本
三井不動産ファシリティーズ様の関連企業の方々に対し、健康経営についてお話をさせていただいたこともありましたね。

大塚様
前田さんにご担当いただいた件ですね。私どもは年に1度『品質向上大会』という集会を開いています。100社近いお取引企業様にお集まりいただき、品質に関するところを中心に、良い取り組みなどを紹介する催しなのですが、健康経営について多くの企業様に知っていただこうと思い、講演をしていただきました。
前田
その節はありがとうございました。より多くの企業様に、健康経営が広まることを祈っています。
ところで、弊社から健康教育研修用の動画を提供させていただいていますが、三井不動産ファシリティーズ様はこうした研修の参加率が90%と、ずば抜けて高いですよね。驚異的な数字だな、と常々感心している次第ですが、参加率を高める秘訣のようなものはありますか?
大塚様
実は、たいしたことはしていないんですよ。社員の特性が関係しているかもしれません。
坂本
研修後に改善策を実行される方が多い点も、三井不動産ファシリティーズ様の特徴ですね。
前田
大塚さんたち人事部の方々の考える課題感とテーマが合っていた、ということも関係していると思います。
大塚様
あとは――ちょっとした会議の場などで「今度、こういう研修がありますよ」と、声をかけるようにしています。小さな積み重ねが、高い参加率につながっているかもしれません。目指せ参加率100%で、これからも周知徹底に努めたいと思います。