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治療と仕事の両立支援が企業の未来を左右する

  • 更新日:2020年05月07日

  • 公開日:2020年04月28日

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今までも、多くの方々が病気を患いながら働いています。
そして今、改めて「治療と仕事の両立支援」に注目が集まっています。

今回は「治療と仕事の両立支援」の必要性と
その課題についてがん患者を例に一緒に考えていきたいと思います。
参照)事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html

目次

  1. なぜ今、「治療と仕事の両立支援」を考える必要があるのか?
  2. 「治療と仕事の両立支援」のメリット
  3. 適切な就業上の措置
  4. 「治療と仕事の両立支援」の課題

1)なぜ今、「治療と仕事の両立支援」を考える必要があるのか?

今、がん患者は100万人いると言われています。
その約3分の1の32万人が労働者だと言われています。

従業員数が100人未満の会社では60歳定年の場合、6.7人に1人の割合で、
従業員ががんになる計算でしたが、
定年年齢が65歳に引き上げられた場合、それが5人に1人となります。

また医療の発展と共に、がん患者の5年生存率が上昇し、
60%もの人が、がんが治る時代とも言われています。

つまり、定年年齢の引き上げやがん患者の生存率の上昇により職域でのがん対策が重要となってきました。

2)「治療と仕事の両立支援」のメリット

① 企業のメリット

両立支援で治療を受けながら働くことができれば症状の悪化を防ぎ、
必要な人材の確保ができます。

がんを患った労働者の割合が増えていく現状では、
病状悪化や治療の困難さを感じたことにより退職してしまうと、
企業にとっては大きな痛手(損失)になります。

② 従業員のメリット

治療が受けられることにより病気の悪化を予防し、
継続して働けることで、安定した収入を得ることができます。

また、働くことで社会貢献を成し、
安心感やモチベーションを維持することができ、結果として企業の生産性に繋がります。

3)適切な就業上の措置

適切な治療の確保・悪化防止

  • 就業場所の変更
  • 作業転換
  • 職位の変更
  • 労働時間の短縮
  • 深夜業の回数の抑制など

②企業ごとの特別な制度適応

  • 時間単位の年次有給休暇
  • 病気休暇
  • 時差出勤
  • 短時間勤務制度
  • テレワーク
  • 試し出勤制度など

このような対応を検討していく必要があります。

よって企業側から従業員に両立支援・相談窓口設置情報を発信し、共有することが重要です。

4)「治療と仕事の両立支援」の課題

① 安全配慮義務について 企業として、治療中の人を働かせる場合、安全配慮義務について不安を持つことが多いようです。

それは、個人により、がんの種類や治療法が異なり、医学的に何が起こるのか予見できません。
結果、回避義務が果たせないのではないかということによります。

特に、産業医の選任義務のない50人未満の事業所などでは、相談する相手も身近におらず、
その不安はより大きくなる傾向があります。
両立支援が必要な従業員が発生した場合は、まず産業医に相談してみましょう。

② 両立支援が必要な従業員と周囲の従業員との人間関係

がんを患った従業員は治療や体調などにより、仕事のパフォーマンスが低下することが往々にしてあります。
そうすると、周囲の従業員がカバーする必要が発生し、
他の従業員からは本人への優遇に対してクレームが出ることがあります。

病気について周囲に伝えていない場合などは、なおさらです。
その結果、本人が孤立してしまうというということが起きます。
そうならないよう、普段から人間関係の構築や職域でのがん教育が重要となってきます。

※今回は、がん患者を例に挙げましたが、両立支援は決してがん患者のみが対象なわけではありません。
脳卒中、心疾患、肝炎、その他難病など反復・継続して治療が必要となる疾患が対象となります。

これらの従業員の特性を考えれば、「治療と仕事の両立支援」は必須課題であり、
企業の未来を左右すると言っても過言ではありません。

従業員が病気を患ってから慌てて対応するのではなく事前に取組み、
必要な時にスムーズに活用できるよう準備して頂きたいと思います。

(文/産業保健師 小林智美)
産業保健師・メンタルケア心理士・アンガーマネジメントコンサルタント・叱り方トレーナー
北里大学看護学部卒業、昭和大学横浜市北部病院産婦人科病棟勤務。
退職後、2007年より産業保健師として複数の健康管理の立上げや特定保健指導、健康管理に携わる。
2011年~大手IT企業関連会社にて産業保健師として勤務。またメンタルケア心理士・アンガーマネジメントコンサルタントなどの資格を取得。行政主催の子育て講座や企業でメンタルヘルスに関する講演を実施している。

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