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「新型コロナウイルス感染症による従業員のメンタル不調を最小限に抑える」

  • 更新日:2020年04月03日

  • 公開日:2020年04月03日

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WHOが2020年3月11日に新型コロナウイルスはパンデミック」と表明しました。同時に感染が今後も拡大する見通しだと伝えられ、事態の収束に時間がかかることが推測されます。

新型コロナウイルス感染症は世界経済に大きな影響を与え、多くの人々が不便な生活を強いられています。

そんな状況下でも、企業は事業を継続しなければならず、企業も従業員も大きなストレスを抱えて働くことを余儀なくされる状況になりました。

では、長期化する新型コロナウイルス感染症がもたらすストレスにどのように対応していけばいいのでしょうか?

WHOは「新型コロナウイルス感染症アウトブレイクに関するメンタルヘルス指針」を発表しました。

https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/mental-health-considerations.pdf?sfvrsn=6d3578af_2

この指針から
■不安をあおるようなTVやSNSを見る時間を減らす
■ 信頼できる機関が発している情報を入手する
■ オンラインも活用しながら家族・友人とのコミュニケーションをとる
■ 気を落ち着かせるために、喫煙・アルコールに頼らない
という基本的なことが、メンタルヘルスに大切だと考えます。

では新型コロナウイルス感染症は、メンタル不調を抱える従業員にどのような影響があるでしょうか?

また従業員のメンタルヘルスへの影響を早期に発見し、対応していくために必要なことは何でしょうか?

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1) ­­­­­­­­­­­­­­­新型コロナウイルス感染症とメンタル不調

2) 対応が必要な従業員は?

3) メンタル不調発生・悪化のリスクのある従業員への対応

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1) 新型コロナウイルス感染症とメンタル不調

感染拡大抑止のため、テレワークや時差通勤などが推奨され、実践されている企業が多くあります。政府もこれらを推奨しており、感染拡大抑止と言う点においては必要な措置です。しかし、通常通りの勤務ができないということは、従業員に大きなストレスを与えます。特にメンタル不調を抱えた従業員にとって、いつもと違う環境に適応するのは、思った以上に負担がかかるのです。例えば、時差通勤をするために生活リズムが崩れ、睡眠に影響を及ぼせば、うつ病が悪化する可能性などが考えられます。そのほかにも、強迫性障害の症状の一つに不潔恐怖から、過剰に手洗いや消毒をする方がいらっしゃいます。強迫性障害を治療中・克服された方が、手洗いという行動をくり返し行わなければならないという状況は、症状の誘発や悪化をもたらします。このようにメンタル不調を抱えた方にとって、単に新型コロナウイルスの脅威を感じるだけではなく、現在の状況が自身の持つメンタル不調を悪化させる可能性があります。またコロナショックと言われる経済への影響から、経営者や収入に影響を受けた労働者のメンタル不調の発生も避けては通れません。

2) 対応が必要な従業員は?

企業でどういった従業員に配慮していく必要があるでしょうか?

① 心療内科等、通院中の従業員

② 復職から日が浅い従業員

③ 支障が大きい業務に携わる従業員

これら3つに該当する対象従業員の対応について、考えていきたいと思います。

3) メンタル不調発生・悪化のリスクのある従業員への対応

① 心療内科等、通院中の従業員

産業保健スタッフ・所属長や上司が、従業員の通院について多くの情報を持っています。ですから対象従業員に変化があった場合、所属長や上司に対し、早めに受診を勧めるよう促し、産業医への連携も依頼するよう伝えておくことが必要です。

② 復職から日が浅い従業員

所属長や上司に対し、①同様の対応が必要です。そして人事は対象従業員の休職・復職とその理由(診断名)について把握しているため、対象従業員に対し、産業医面談を確実に実施できるよう準備していく必要があります。

③ 支障が大きい業務に携わる従業員

①②ともに、所属長や上司も対象従業員として含めますが、部署の所属長や上司もメンタル不調の発生や悪化のリスクも高く、人事が所属長や上司に対しても配慮していく必要があります。そしてやはり、変化に気づいたら受診や産業医面談につなげていく必要があります。このようなことを伝えると、テレワークの活用が進む中、従業員の変化に気が付きにくい!という声を現場で聞きます。おっしゃる通りだと思います。ですから、TV会議の際の表情や口調を注意して観察したり気になる従業員にはそれとなく「困っていることはありませんか?」など声掛けやメールしたりすることをお勧めしています。また、私は支障が大きい業務に携わる従業員に、通常業務に加え、コロナ対策に対応をする「人事・総務」の方も該当とすると考えています。

このメルマガを読まれている方の中には、人事や総務の方も多くいらっしゃることと思います。

まずは自らがメンタル不調にならないよう、また異常を感じたら相談するように心掛けていただきたいと思います。

(文/産業保健師 小林智美)
産業保健師・メンタルケア心理士・アンガーマネジメントコンサルタント・叱り方トレーナー
北里大学看護学部卒業、昭和大学横浜市北部病院産婦人科病棟勤務。退職後、2007年より産業保健師として複数の健康管理の立上げや特定保健指導、健康管理に携わる。
2011年~大手IT企業関連会社にて産業保健師として勤務。またメンタルケア心理士・アンガーマネジメントコンサルタントなどの資格を取得。行政主催の子育て講座や企業でメンタルヘルスに関する講演を実施している。
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このブログは、さんぎょうい株式会社のお客様向けに配信しています◆さんぎょうい㈱メールマガジン◆2020年3月25日特別号に掲載したものを転載しました。