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「パワーハラスメント対策は必須課題」

  • 更新日:2020年02月26日

  • 公開日:2020年02月26日

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 2019年5月に改正労働施策総合推進法(働き方の多様化に併せて、より自由な働き方を実現することを目的としています)が成立したのは、ご存知のことと思います。
 この中でパワーハラスメントの防止についても規定されているため、「パワハラ防止法」とも呼ばれています。

 この法律で、我が国で初めて、パワハラについて規定し、その防止措置を講じる義務を企業に課しました。
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 1.パワハラとは
 2.パワハラを防止することのメリット
 3.人事・総務としてまずは取り組むべき7つのこと
★4.産業保健とパワハラ
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1.パワハラ防止法とは

 パワハラとは
①優越的な関係を背景とした言動であって
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③労働者の就業環境が害されることと定義づけられました。

 またパワハラ防止策をとることを企業に義務づけています。
(大企業は2020年6月1日、中小企業は2022年4月1日から)

 従わない企業には行政指導が入り、それにも応じなければ、厚労省が企業名を公表する場合もあります。

 パワハラ防止策を取らなかったこと自体に罰則は設けられていませんが、状況によっては刑法や民法により、行為者と共に企業も罰せられることがあり、企業名の公表は、企業イメージの悪化につながります。


2.パワハラを防止することのメリット

 パワハラ防止は、従業員の心身の健康維持につながります。
 それだけではなく、モラールの低下→生産性の低下→業績悪化という悪循環を断ち切り、人材の流出を防ぐことにもつながります。

 また、企業イメージが人材採用にも影響し、人材を確保するためには、対策を講じる必要があります。
 したがって、パワハラ対策は企業にとって必須課題なのです。


3.人事・総務としてまずは取組むべき7つのこと+α

①トップメッセージ
 パワハラ対策は、全従業員が取組む重要な課題として経営者から明確に伝える。

②社内ルールを決める
 就業規則その他の職場の服務規律等を定めた文書で、パワハラ行為を行っていた者は、懲戒規定等に基づき厳正に対処する旨を定めます。

③社内アンケートで実態を把握する
 匿名性が守られる・答えやすいなど工夫する必要があります。
〔アンケートの例〕↓
 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/doc/pawahara_enquete.pdf

④研修・セミナーの実施
 管理監督者と一般従業員に分けた階層別研修の実施が効果的です。

⑤相談窓口の設置
 相談者の秘密が守られることや不利益な取扱いを受けないこと、相談窓口でどのような対応をするかを明確にする必要があります。

⑥周知・啓蒙
 社内HPやポスター、会議などで周知に努めましょう。

⑦再発防止
 行為者に対する再発防止研修の実施・事例発生時のメッセージ発信・事例の活用・管理職登用の条件・職場環境の改善のための取組みなどを行うことをお勧めします。


 皆様の会社ではいくつ取組みが実施されていますでしょうか?
 どの項目も必要不可欠な対策です。
 下記でご紹介する取組みリストを活用し、より充実したパワハラ防止対策に努めていただければと思います。

〔取組みリスト〕↓
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/doc/pawahara_torikumi.pdf

 またパワハラ相談が多い職場に共通する特徴として、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が第一にあげられています。
 ほかに「正社員や正社員以外など様々な立場の職員が一緒に働いている職場」「残業が多い/休みが取り難い職場」といった特徴もあります。

 ですから、これらの特徴を改善する取り組みもパワハラ防止対策と合わせて、同時に行っていく必要があります。


4.産業保健とパワハラ

 基本的に、パワハラ自体は、人事労務等によるマネジメントの問題となります。

 それに対し、私たち産業保健スタッフは、パワハラで心身の健康に影響を及ぼした従業員の訴えや声を総合的に判断し、職場環境の改善が必要と感じた場合、情報提供するという役割を担っています。

 ですから、相談窓口が明確になっていると、迅速に相談を促したり、トラブルなくお互いが対応していけることになります。

 そういった意味でも窓口の設置や周知ということは、パワハラ防止について必要な策であると考えます。

 先に述べたように、パワハラは、従業員の心身の健康に影響が出ます。
 従業員の健康を扱う私たち産業保健スタッフにとっても、大きな問題です。
 人事労務が取組むパワハラ防止対策に歩調を合わせて、一緒に取組んで行ければと思っています。


(文/産業保健師 小林智美)
 産業保健師・メンタルケア心理士・アンガーマネジメントコンサルタント・叱り方トレーナー
 北里大学看護学部卒業、昭和大学横浜市北部病院産婦人科病棟勤務。退職後、2007年より産業保健師として複数の健康管理の立上げや特定保健指導、健康管理に携わる。
 2011年~大手IT企業関連会社にて産業保健師として勤務。またメンタルケア心理士・アンガーマネジメントコンサルタントなどの資格を取得。行政主催の子育て講座や企業でメンタルヘルスに関する講演を実施している。

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このブログは、さんぎょうい株式会社のお客様向けに配信しています◆さんぎょうい㈱メールマガジン◆2019年12月11日号に掲載したものを転載しました。