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精神腫瘍科を知っていますか?

  • 2017年12月01日
  • ブログ

『人生でほんとうに大切なこと
  がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話』
                    (稲垣麻由美著/KADOKAWA )

2人に1人ががんになる時代。

医療の目覚しい進歩により、がんは死に直結する病気ではなくなりつつありますが、それでもがん宣告を受けると、多くの人はいやがおうにも死を意識し混乱します。目の前の景色は一変し、様々な葛藤や感情と向き合うことになる日々の中で、患者さんの20%が適応障害になると言われています。

そのような中、今、大変注目されているのが精神腫瘍医(サイコオンコロジスト)の存在です。「精神腫瘍医」という言葉自体、まだまだ日本では知られていませんが、がん患者さんとその家族の心のケアを専門に行っているのが「精神腫瘍科」であり、がん患者専門の精神科医・心療内科医のことを「精神腫瘍医」といいます。心のケアは第4のがん治療といわれ、その存在の重要性は増しています。

 もともとは1977年にがん医療の先進国、アメリカ・ニューヨークの「メモリアル・スローン・ケンタリングがんセンター」に精神科部門が設立されたのが始まりといわれており、この頃から「がん」と「心」の関連性を研究する学問、精神腫瘍学(サイコオンコロジー)が生まれました。これは心理学(Psychology)と腫瘍学(Oncology)を組み合わせた造語です。
 
日本では1992年に全国に先駆けて国立がん研究センター中央病院に「精神科」が開設され、その後名称を「精神腫瘍科」に変更。その流れは徐々に広まり、今では都道府県がん診療連携拠点病院や地域がん診療連携拠点病院でも「精神腫瘍科」が開設され、「精神腫瘍医」(サイコオンコロジスト)が在籍するケースが増えてきました。

この本はその精神腫瘍医、国立がん研究センター中央病院の精神腫瘍科科長・清水研医師と患者さんたちの対話・物語をまとめたものです。清水医師はこれまでに3000人以上のがん患者さんの心の声に耳を傾けてこられました。

「人は人生の最期を意識すると、人生の未解決な課題に取り組もうとする生き物である」

これは、その清水医師の言葉です。

また、「がん体験は、はからずも先送りにしていた、人生の積み残した課題に取り組むチャンスともいえます。だれも病気になることを望みませんが、だからと言って、起こることすべてが、不幸だとは言い切れません。死はすべての人にやってきます。『自分の人生を納得のいくように生きるにはどうすれば良いのか』を考えるきっかけを得ることは大きな意味を持ちます」とも。

描かれているのは、清水先生との静かな対話を通して、「人生でほんとうに大切にしたいこと」のために、心の持ち様も時間の過ごし方も変わっていく20〜60代の様々な背景を持った7人の患者さんの人生の物語です。

例えば、第7話の千賀泰幸さんはIT関連企業に勤める男性で、3人の子どものパパ。新規開拓事業の開発責任者として全国を飛び回る日々の中で、突然、5年生存率5%の肺がんと診断されます。最初に考えたのは「マンションのローンの残りは自分が死ねば終わる」だったそうです。

世のお父さんの多くが、同じような思いになるのではないでしょうか。

そこから体験することになる死への恐怖、復職してからの葛藤と鬱、そして、清水先生とのカウンセリングを重ねる中で、日々の暮らしの中にかけがえのない「希望」を見出すまでの話が描かれています。

他に、乳房全摘出を決意したモデルの方の物語。司法試験前日にがんが再発し、自殺未遂を図った青年が気づいていった両親から受けた深い愛。ふたりの幼子を残して逝かねばならなかった若いお母さんが残した子ども達への遺言など・・・。

それぞれが抱えている苦悩を清水先生との対話を重ねる中でほどいてく様子、人生の新しい扉を開いていく姿は、がんという病気に関係なく、誰の心にも深く共鳴するものがあります。
人はもろく、強く、時に愚かで、そして、とんでもなく優しい生き物なのかもしれません。

他に「精神腫瘍医という仕事」「『死の恐怖』とどう向き合えばよいのか」「人は自分自身の物語を生きている」「人は苦難を乗り越える力(レジリエンス)を持っている」「私が精神腫瘍医を続けている理由」という5つのコラムにも注目。

読み進めるほどに不思議なほど心あたたかくなる1冊です。

**********

■出版記念講演会のお知らせ(東京)

『人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話』
 定価:1400円 2017年10月19日発売 KADOKAWA  
https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321704000578/

【出版記念講演会・東京】
<日時>
12月10日(日)15時〜16時30分
<場所>
駒込教会
住所:東京都豊島区駒込2丁目3−8
(JR駒込駅 北口or地下鉄南北線駒込駅4番出口より徒歩3分)
<参加費>
2500円(サイン本付) or 1000円 (本を既にお持ちの方)
<出演>
清水 研 (国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科 科長)
稲垣 麻由美 (著者・文筆家)
千賀 泰幸 (第7話登場 おやじ代表・2015年に肺がん罹患)
<参加申込>
https://ssl.form-mailer.jp/fms/86359f3e540829
TEL 050-3577-9428 (一凛堂・池田) 
Mail t-ikeda@ichirindou.com

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清水 研 (国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科 科長)      稲垣 麻由美 (著者・文筆家)